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方眼紙のアイデア [サウンド解析]

扨て、前回の続きです。

シンセサイザー類などを除けば、多くの低音域を再生できる楽器は結構倍音が豊富です。ピアノしかり、弓(ボウ)で弾く時のアコベも同じように。

シーンによってはあまりに倍音を多く含むために非常に弱いタッチで弾いたりすることもあるワケですが、低音楽器とはいえその楽器個体が持つ音像フォーカスは、倍音のフォーカスも一役買っているわけでありますな。

デジタル音声の場合、簡単なハナシが「音のコマ送り」なワケですが、サンプルレート周波数という周波数の上限が定められている以上、高い周波数の音の解像度は低音よりも解像度が甘いワケですね。

一枚の方眼紙の横軸方向が「1秒」と仮定するならば、高い周波数はヘタすれば何千・何万という波長を書かなくてはならず(笑)、もはや方眼紙の解像度すら超えているので表せなくなってしまいます(笑)。

DTPが浸透する以前の写植の時代なら、1ミリの間に11本の線を描くことが第一歩と言われた時代があったモンですが(笑)、高いサンプルレート周波数によって恩恵を受けるのは高い周波数よりも低い周波数の解像度なワケですね。

だからこそ、倍音が豊富なソースであればより一層定位感がしっかりとして低音のフォーカスも増した印象を受けるというワケです。

アナログの世界には、回路がもたらす遅延がありますが、デジタルの世界に置き換えるならジッターノイズなど方面で見られる、細かい精度の領域の遅延がごく普通に存在しているワケです。

192kHzのサンプルレート周波数での1サンプル長は7~8マイクロ秒辺りだと思うんですが(計算していませんので各自お調べください)、アナログの世界ではこれくらいの遅延やこれ以下の遅延もごく普通にゴッタ煮になって出力されている結果なワケです。

デジタルの精度じゃ録音しきれない遅延の部分は、最も近い量子化された音に「面取り」されることになるというコトを意味しますね。

音の世界というのは実に深いのだなーとあらためて痛感させられるワケですが、音そのものばかり注力して聴いているはずなのに聞き逃したり、定位感によって妨げられたり、一方では強化されたり、自分の意志ではどうにもならないこともあるわけで、音を聴くことも重要ですが、定位を捕らえるという感覚で音を捉えることも同様に重要なんですが、前述のように妨げられることが多いので、それに打ち勝ちながらトライ&エラーを繰り返さなければならないんですな。