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『シェーンベルク音楽論選 様式と思想』(ちくま学芸文庫)待望の発刊 [書評]

 2019年9月10日。筑摩書房から『シェーンベルク音楽論選 様式と思想』が文庫化として待望の発刊となった訳でありますが、文庫化が意味する様に過去の刊行物の復刻という事でもあります。

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 本書は嘗て三一書房から『音楽の様式と思想』というタイトルで刊行され、シェーンベルク自身が著す国内刊行物として十二音技法のそれが詳らかにされている物として筆頭に挙げられる物であり、古書でも市場価格として2万円を超えるのが珍しくなかった程(※2019年10月現在では文庫化もありだいぶ暴落している模様)で、なかなかの稀少本として扱われた物でした。私が入手したのは90年代にさしかかる頃でしたが、やはり1万円は優に超えていただろうと記憶しております。

 他にも私の記憶では、神奈川県下の公共図書館で本書を読む事が出来たのは川崎市立図書館だけではなかったではなかろうか!? と思わんばかりです。神奈川県立図書館にも無い程の希少価値があったという意味です。こうした状況を鑑みれば如何に高値で取引されていたのかもあらためてお解りいただけるかと思います。


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