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THE BEATO BOOK4.0の大幅な補遺に歓喜 [楽理]

 リック・ビアト氏の頒布する『THE BEATO BOOK』が早くもバージョン4.0へとアップグレードとなった様でして、これまで私も2.0からビアト・ブックのブログを書き、3.0の時にも追記されている部分を取り上げている物ですから、あらためて書いておかねばと奮い立つ事に。


TheBeatoBook4_0.jpg
 それでは早速、以下に追記された部分を列挙する事に。

 p.12の 'Enharmonic Intervals' では従前では譜例として「Ex.7」が付されておりましたが、4.0ではEx.7の譜例が無くなり表として例示される事により、付与されていた「Ex.7」が欠除となってしまっております。とはいえその後の「Ex.8」の譜例が従前と同様である事を勘案すると、4.0での表を「Ex.7」と例示するのを忘れてしまっている様です。

 抑も茲では、単音程で生ずる半音階的な音程毎に協和的性質を感覚的表現として表している物なのですが、私としては譜例を併せて用いた方が良かったのではなかろうかと思います。まあ譜例が無いにしても「Ex.7」という例は充てるべきであろうとは思います。

 p.24-30では4.0で新たに加わった関係調に伴うディグリー表記を詳らかに例示した物です。

 p.101-103で追加されたのはミラー・モード創出に伴う物で、ネガティヴ・ハーモニーが巷間を賑わせる様になった為に追記したのでしょう。パーシケッティの『20世紀の和声法』の様にして平易に述べられており、非常に判りやすく且つ現今社会での音楽理論書として大変重要な事を載せていると思われ、配慮された追記であろうかと思います。

 p.288では、印刷されてしまっていた赤い栞のそれが削除された様ですね(笑)。矢張りあの栞はご本人が編集する為に必要な物であったのでしょう。

 p.310では開離音程に依るトライアドの分散和音例が指板図と併せて譜例が追加されております。

 p.449ではAアイオニアンからAミクソリディアンへ移旋の用例となる譜例が4つ追加されました。

 同様にしてp.450ではCドリアンの用例の追加。

 p.451ではAリディアンの用例の追加。

 p.452ではCミクソリディアンの用例の追加。

 p.453ではEミクソリディアンの用例の追加。

 p.454ではDビバップ・ドミナント(※要注目!)の用例の追加。

 p.455ではBマイナーの用例の追加。

 p.456ではDエオリアンの用例の追加。

 p.457ではCミクソリディアン♯11の用例の追加。

 p.458ではEオルタード・ドミナントの用例の追加。

 p.459では全音音階の用例の追加。

 p.460ではEオーギュメンテッド・スケールの用例の追加。

 p.461では半音階/複調(※要注目!)のインプロヴァイズ用例の追加。タイトルは 'Polytonal' である筈ですが 'Ploytonal' なのはご愛嬌でしょうか(笑)。

 p.462-464では、2オクターヴ超の分散和音フレーズの用例の追加。

 p.465,466ではDマイナーでのインプロヴァイズ・フレーズ用例の追加。

 p.467,468では25/16拍子および13/16拍子というアクサクの拍節を伴ったウォーム・アップと銘打ったフレーズ用例の追加。

 裏表紙は表表紙と同色に変化しました。表表紙のフォントも若干変更されおりますね。惜しむらくはページ番号の「ノンブル」の位置が総じて左下角にあるので、自家製本する様な時などでは歴然ですが、奇数ページが小口側ではなくノド側に来てしまうんですね。このノンブル位置がせめて中央下にあれば、製本する人には非常に親切なのではないかと思います。

 おそらくやビアト氏本人のリング綴じ製本は、博論に多く見られる類の様な裏写りを回避した片面印刷で500ページを綴じている物と思われます。自家製本される方はPDFの2ページ目が3ページ目として印刷しないと思った様にならないかと思うので注意が必要だと思います。

 何れにしても、投影法(ネガティヴ・ハーモニー)や複調にまで亙って手ほどきをしてくれる音楽理論書はそうそう無いでしょうから、『コード理論大全』と併読すれば鬼に金棒なのは間違いなしであります。