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iPhone使い音楽ユーザーに必携のWolfram Alpha [Apple]

WorframAlpha_00.jpg 扨て、今回はiPhoneアプリでも有名なWolfram Alphaについて語って行こうかと思います。古くはマスマティカというクラシックOS時代からあるMacのソフトだったワケですが、私の記憶が正しければ、トッド・ラングレンが関わったGlow系ビジュアル・エフェクト(スクリーンセーバ)FlowFazerの頃から存在していたソフトでありました。確か亘香通商さんが扱っていた気がするんですが。まあ機能的には文句無しのモノなのがWolfram Alphaなんですが、なにゆえ音楽用途!?と疑問を抱かれる方も多いかもしれません。


 Wolfram Alphaの検索エンジンとしてのスゴイ所は、例えば次のような「音名」を羅列した表記で検索を行うと、五線譜表記で示してくれまして、しかもサンプル音やらまで鳴らしてくれちゃうやら、羅列した音名からアヴェイラヴル・スケールまで探し当ててくれるというトンデモない高機能な物なんです。WolframAlpha_01.jpg









 例えば画像01では、入力欄にもある通り、音名「c e g b d# f#」という風に入力しまして、さすがにペレアスの体を引っ張って来るワケではありませんが、こうした音名を五線譜表記&鍵盤表記やらで示してくれているという例なんですな。

 
 さらに画像02では、入力した音の各音の音程幅まで表してくれておりまして、至れり尽くせりなんですが、それにも飽き足らずその下方には入力した音名の羅列が使える可能性のある「音階」を引っ張って来てくれるワケです。中には見慣れない呼称もあるんですが、右上のアイコンをタップするとすぐにリンクが表示されるので、それに従えば更に詳しく音階そのものを探れるというスグレモノなワケですな。とまあ画像03、04&05と続きます。WolframAlpha_02.jpg











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WolframAlpha_04.jpg




















WolframAlpha_05.jpg








 
 特に画像05で確認できるように「ナポリタン・メジャー・スケール」なんて聞き慣れない呼称ですね。他にも「ハーモニック・ナポリタン・マイナー」とか。


 通常の調的な世界を扱っていると、ヘプタトニックの中にも非チャーチ・モードで且つ幾何学的な音並びをしているようなものや増二度を含んだりとか半音音程が連続したりするような音列にはそうそうお目にかかれません。メロディック・マイナーですら忌避されるような扱いですからね(笑)。
 
 このような「見慣れない」ような呼称は、そもそも市民権を得ているようなモノではないため、ルールの策定作りは必要かなとは思うんですが、こういう学術系に関わる所が体系化してくれると非常に有り難いんですな。
 私自身も今後は成る可くWolframに倣おうと思っております。WolframAlpha_06.jpg


 次に入力する例は「C augmented major seventh」という例。これで十二分な情報を引っ張ってくれるワケですな。基本形としてのヴォイシング例が画像06からもお判りになると思います。
 私はよ~く「オーギュメンテッド・メジャー7th」やそのコードをアッパーにセカンド・ベース(九度音をベースにする分数コード)を頻繁に取り上げていますが、それには理由があってですね、いわゆるフツーのセカンド・ベースがクロスオーバーだとすると、ジャズ・ロックやカンタベリー系にはオーギュメンテッド・メジャー7thが非常に多いんですね。

WolframAlpha_07.jpg

 無論、クロスオーバーのシーンだってオーギュメンテッド・メジャー7thを使っていたりするコトもありますが、和声的な面では意外にもこうした違いってあるんです。アジムス特にベルトラーミの世界観はオーギュメンテッド・メジャー7thのセカンド・ベースなんですけどね。

 こうして書いている内に「augmented」というカタカナ表記を「オーギュメンテッド」と表記するのは私自身は昔から抵抗を感じているので本当なら「オーグメント」という風に表記したい所なんですが、不思議と「オーギュメント」という呼称が昔から使われているため、下手に混在させて混乱を招かないよう配慮して忸怩たる思いで「オーギュメント」と表現しているのはご容赦くださいね(笑)。


 扨て、本題に戻りまして、Wolfram Alphaへの音名の入力書式としては「フラット」が必要な場合は小文字の「b」を使うワケですが、「Bフラット」(※ドイツ音名はベー)の場合、小文字を続けて「bb」としてしまうとダメなのできちんと「Bb」とする必要があります。シャープはそのまんま「#」を付ければイイのでして、とても便利なんですね。この辺は画像05&06辺りをご覧になっていただくとお判りいただけるかと思います。
 画像07なんてギターの指板のポジションまで引っ張って来ているのですから、音楽理論を学びたいミュージシャンのハンディな理論書として充分役立ってくれるのではないかと思います。ある意味では数千円出しても此処まで情報を網羅してくれている音楽理論書というのは殆ど見当たらないのではないでしょうか。少なくとも値段を考えれば週刊誌買ってる金あったらこっちをAppStoreから買うべきですわ(笑)。WolframAlpha_08.jpg


 私があらためて諒解するのは、画像09にあるような音階名のリスト内に見られるような、オリヴィエ・メシアンによる移調の限られた旋法(Modes of Transpose Limitation)の英名表記が最後の画像にも見られるように、メシアン・トランケーティッド・モード○○インヴァース・スケールという風に呼んでいる所が興味深い所ですね。他にも「ユーティリティ・マイナー」とか面白そうな名前を付けているのもありまして、この辺りの情報に関しては素晴らしいなと思うことしきりです。WolframAlpha_09.jpg

 iPhone / iPad関連の音楽用アプリにおいて色々面白いモノは増えています。DAWとして機能するものまでありますからね。マルチ・タッチ・ジェスチャーによるメリットは文章の入力と読むことに煩わしさを感じさせない事です。
 嘗てはソフトウェアのマニュアルは製本されてこそ価値を感じたりしていたモノですが、それがPDF化された時だと画面のチラ付きから長時間PDFドキュメントを読む煩わしさから、どうしても製本マニュアルの方を読みたくなったモノです。

 しかしPDFドキュメントにも「しおり」をふんだんに鏤めることでありとあらゆる語句に細かく検索可能なような高度なPDFドキュメントが出現してくるようになると利便性が煩わしさを初めて超越するようになり、PDFドキュメントを受け入れる姿勢が整いはじめ、やがては長大な文章はiPadで読むことができるようになれば嵩張るコトもなく目を通すコトができるようになると思うようになり、ココ10年程度で「読む」という行為をも変えたiPhone / iPadのマルチ・タッチ・ジェスチャーによる恩恵はあらためて驚かされることしきりです。

 私も20年以上前はDTPに身を置いて、イメージセッタがサイテックスという時代にQuark XPress 3.11で決して高くはないプラグイン「字取り行取り」を入れて、その「所有欲」にご満悦だった時もあったモンです(笑)。
 「頭末揃え」という、当時ワープロ専用機全盛の日本国内においてはクライアントからはワープロ独特の機能である「頭末揃え」で字間のカーニングを自動的に合わせるという機能を自動的にやっちゃうのが先のプラグインだったワケですが、カーニング自体当時のマシンでも負荷などあまりかからず重さを感じなかったモノですから、なんでこんなプラグイン持ってたんだろ!?と今更ながら不思議に思う私なんですが、Quarkのフォルダに入っていたPDF出力用のプラグインに、その当時の私は「PDFの有用性って何だろう!?」と思っていたくらい当時は縁遠かったのが現実です(笑)。ジャミロクワイがデビュー・アルバム出した時辺りだったでしょうか(笑)。


まあ、そんな紆余曲折を経て、今やこういう状況で音楽の高次な情報をいつでも得られるというのはとても感慨深いモノであります。そういうワケでWolfram Alphaに倣いつつ今後のブログでの表現をあらためるべき所はあらためようと思います。iPhone全盛となった状況下においてこうしてある一定のルールにぶら下がる事はとても大事だと思いますので。