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転調感 [MONDO]

ココ最近左近治がハマっているコンビニ商品がございましてですね、それがSMAPの中居君出演のCMでお馴染みのモーニングレスキューなんですな。一口飲んだらついついタケダのプラッシーを思い起こさせてくれるような、ほんのり苦味のある郷愁の念に駆られてしまう味わい・・・。モーニングレスキューは無炭酸なのでその辺もグッドなんですが、シュウェップスのオレンジにもどこか似たものを感じる、ほんのり苦みばしったクセになる味で、これまたポカリスエットの900mlとイイ勝負を繰り広げてくれるような気がします(笑)。

まあ、今回は「転調」をテーマにしているんですが、実は転調というのは転調が確定する前から基の調性とは異なる世界を「暗示」している時と、そういうキッカケやら暗示なしにスムーズに関係調というような近親性の高い調へ情感を滑り込ませる手法に分類できるかと思います。まあ、その辺をつらつらと語ってみようかな、と。


通常、我々が幼少期から最も多く且つ親密に触れ合う音楽の調的な世界とは、実は「偏り」のある音列であります。


1オクターヴを12等分してソコから7つを抜粋しているワケでして、そもそも偏りがあって当然です。ピアノの白鍵で言えば「Dドリアン」というのは上がって弾いても下がって弾いても音列はいずれも等しい間隔となりますが、多くの人はココを基準にはしないのがメジャーとマイナー、つまり長調と短調の情感を優先してしまうワケですな。ドリアンの情緒を覚えるのはもう少し後になってのコトなのかもしれません。


いわゆる、五線譜において調号が変わる「転調」と、一時的にノン・ダイアトニック・コードが出現する際に他調の情感を拝借する「転調感」という風に大別した場合、れっきとした転調というのは前者であるのは明白です。

例えばジャズの多くの「語法」として顕著なのは、めまぐるしいばかりの「一時的な転調」。これに追従するように目まぐるしく対応するのが「モード奏法」の初歩なワケですが、先ほども少し触れましたがドリアンの音列とマイナーの音列は非常に似ているのでありますが、殆どの人はドリアンの情感よりも短調をまず覚えていくのが自然なことだと思います。


そもそも、多くの人が共通して感じているこの音楽的な「偏り」というのは、ある所を基準にした場合「トニック」感と「ドミナント」感というのを無意識に身に付けるんですな。これらは倍音列とかち合ったり合致したりするコトの変換であるとも言えることで、コードを三度音程で次々と累積した場合、単純にダイアトニックな音を積み上げればイイってぇモンではなくて、避けた方がよい「アヴォイド・ノート」の存在をあらためて知るコトになるでしょう。このアヴォイド・ノートというのは、先述のように倍音列から端を発しているコトなのであります。


倍音ってぇのは最初は無頓着かもしれませんが、ある音を聴かせてきちんと聴音できるかどうかをチェックする際に、例えば和声が鳴っている時に本来鳴っていない筈の音を「誤答」として答える音というのは、間違ってはいても共鳴度が高かったり、低次の倍音に惑わされているケースが大半だと思います。


「調性」という風に謳われている以上、正直な所、調性感が明確な音楽のタイプというのは転調が確定した所に五線譜では調号が変化しますが、実際にはその直前に「暗示している世界」というのは存在します。但し、暗示した世界の調性にそのまま解決せずに、「こう行くと見せかけて・・・こう!」みたいなコトもありますが(笑)、「暗示した音」が無いと耳が習熟されていない人は止まり木を失ったかのように行き場を失うので、暗示している音をどこかで欲しているんですね。

ですので、転調する直前から暗示している音はあるし、結局は何らかの「調性」を拝借しているコトにすぎないワケでして、「調性」という枠組みにカテゴライズされているということは、調的な世界においてはごく普通の世界だとも言えるワケです。例えば非チャーチ・モードを用いた音世界であれば、その音に慣れていない人にとってはどんなに暗示しても耳が慣れていないがために拒絶してしまうケースだってあるワケです。


左近治がこれから用いる「転調」というのは、そういう暗示の世界も含めて語りつつ、暗示の部分においても極力判らせないようないけずな世界を堪能させちゃおうかな、という意図で語って行こうと思っているんですな。まあ、実例を挙げながらハナシを進めて行こうかな、と思っておりますんで、楽理的な側面においても興味深いモノになるとは思いますんで、お楽しみに!