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えっちらおっちら♪ [リリース発表]




性懲りも無く左近治は、整備されたDAW環境にて新たな制作に勤しんでいるワケでございますが、基本的に私はクロスオーバーな人間ですので、自分の志向性を反映させるとやはり選曲もそっちの方を向いてしまうモンです。

基本的にクロスオーバー系統の音楽というのは、なんだかんだ言って鍵盤(=シンセ)の発展も影響は色濃いモノだったりするんですが、ポリフォニック数が稼げるようになる前の時代こそがクロスオーバーな雰囲気をより一層楽しめるモノではないかと信じてやみません。闇雲にシンセ音に陶酔して重厚なポリフォニック・シンセの音がメインになるような音とは違う世界が好きなのかもしれません。


OB-8やプロフェット5というのは、シンセ界においてもその後のシンセの立ち位置を変えるくらい影響力はありましたが、モノ・シンセとしての魅力を備えている「在り方」というのが実にさりげなくて絶妙だったりします。


まあ、そんなこんなで今さらこうして語る必要もないほど私の好みというのはリリース曲をご確認してもらえれば一目瞭然だと思うのでありますが(笑)、先日は楽理的な話題で結構熱く語っていたコトもあってすっかり忘れてしまっていたのでありまして、それが9月18日にリリースした手前味噌な3曲のエレクトロ系の曲について。


まあ、ざっくりとその辺語らせてもらおうかな、と思いまして、今回はその辺の話題を語ることにします。


早速、1曲目についてですが、この曲のコード進行は左近治にしては珍しいほど一般的なコード進行に分類できる曲だと思っております(笑)。8分音符で鳴らすステップ・シーケンス的なアルペジオとローズ・サウンドと、サイド・チェインによるウネウネ・ベースが特徴となっている曲ですね(笑)。

この曲のローズはScarbeeのCEP、SPLの幾つかのプラグイン、アンプ・シミュレーターを通した音で作っております。ディレイで多少飛ばしているのも特徴的と言えば特徴的であります。

無論、こうしたディレイ技は特段珍しいモノでもなく、むしろ今回用意したこの曲が着信音向けでなければステレオのパノラマ感をもっと編集したコトでしょう。ステレオ着信音に特化した機種向けであるならば、通常のオーディオ・デモよりも大胆なエディットでステレオ感を演出する着信音などリリースされているものの、あらゆる機種においてある程度フィットさせなければならない部分があるので、このように留めているワケであります。

過去には「夜桜お七」のインダストリアル・エディットにおいてLogicのバイノーラルを用いたコトもありましたけどね(笑)。

いずれにしても、着信音といえどもコシがあって存在感のあるエレピとして聴こえさせようとしているトコロに主眼を置いているので、コード進行も耳にフィットしやすいように作ってみた、というワケであります(笑)。


2曲目のハード・ハウス調な曲のコード進行の方が、左近治っぽい感じではあると思います(笑)。909キックの典型みたいな曲ですけどね。


3曲目は、ショート・コメントの方でも謳っておりますが、Synthi AKSのくすんだ感じの音が鳴っているので、すぐにお判りになると思うんですが、このSynthi AKSの音はReaktorアンサンブルでは結構有名なアンサンブルを用いております。

通常、Reaktorアンサンブルというのは良くも悪くもNIサウンドの呪縛があるのでありますが、このSynthi AKSのアンサンブルは結構良く出来ている部類のモノでして、独特の風合いが実に見事に演出されているんですな。

私にとってSynthi AKSというと、ついついソフト・マシーンを連想してしまうワケでありますが(笑)、気難しそうなお兄ちゃんが黙々と小難しい曲を淡々と弾きまくりながら、リード楽器は熱い演奏を繰り広げているという、まあソフト・マシーンの独特なあのカッコイイ出で立ちは脳裏に焼きついているモノです。

そういう私の趣味もあって、ついつい活用してみたくなったというのが今回用いた理由でありまして、曲が進行すればするほど、以前ARP2600Vの音色ネタを披露した際のフェアライトCMIを模した音を用いているのはご愛嬌ってコトで(笑)。

独特の空気感を備えている音色の良さを複数扱うことで音像にメリハリが出ることを想定して作ったというワケであります。

それでなくともケータイから再生される着信音というのは臨場感はある程度備えている機種はあっても、全体的には平滑化されてしまうような音になりがちで、半ば擬似的な臨場感やらがそういうデメリットを補っているようなトコロがあるんですが、こういう「クセ」を持ったものが多い中で、空間系エフェクトを乗せ過ぎると返ってアダとなることが多いので、あらためてこのように作った、というワケであります。