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毒ッ気探し♪ JaR/ Scene29 (ジェイ・グレイドン&ランディ・グッドラム) [AOR]

AORファンには嬉しい今秋リリースのジェイ・グレイドンとランディ・グッドラムの新作「JaR」が発売されました(国内発売はポニー・キャニオンより2008年12月17日予定)。

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思えば、マンハッタン・トランスファーの有名なあの曲「トワイライト・ゾーン」(原題:「Twilight Zone〜Twilight Tone」)のジェイ・グレイドンとスティーヴ・ルカサーという師弟関係によるツインのギター・ソロからジェイ・グレイドンにハマることになったのが左近治にとっての出会い。

小・中学生でもごく普通にエア・プレイやらTOTO(ルカサーのレス・ポール時代)を聴いていた時代があったモノで、Charの「U・S・J」というアルバムはジェイ・グレイドンが関わっておりましたっけ。

その後、81〜82年辺りにジェイ・グレイドンが書いた曲「Turn Your Love Around」は、パイオニアのLibertyprivate(←やっちまったぜ左近治!パイオニアさんゴメンなさい。リバティはSONYでした)というミニ・コンポのCMでジョージ・ベンソンが出演して唄っておりましたっけ。その後10年ほど経過すると、この曲のリフはEAST END + YURIにモノの見事にパクられてましたけど(笑)。日テレ系で放送していたタモリの「今夜は最高」を見ていると必ず流れていたCMでした。

とはいえ私としてはランディ・グッドラムの方が好きでして、こりゃあ買うしか無いな、と。ついつい触手が伸びてしまったワケです。

ジェイ・グレイドンのHPを見る限りだと、このアルバムはDAW環境バリバリ活用しているようで、ドラムはTOONTRACKのSuperiorを用いているようであります。ランディ・グッドラムはLogic Proと。Superiorは私も使っているのでついつい興味が沸いてしまうのであります。ロッド関係も揃っておりますし、私が好きなドラム音源のひとつでもあります。てめえの使っているモノが使われていると途端に中学生のように喜んでしまう左近治(笑)。

まあ、そんな彼らのアルバムのライナーノーツにはいきなり、現在の音楽シーンでは顕著な「音圧上げ」に辟易している様子が書かれていて、ステレオBus送りのコンプ/リミッティングに関して、意味を汲み取れる人であればコレで十分な位なヒントをさりげなく述べております(笑)。

ジェイ・グレイドンとランディ・グッドラム両氏共にGMLの機材を使っているようで、それらがクレジットされていたのはある意味当然とも言えますが驚きではありました。GMLのマイク・プリかEQなのかは判りませんけどね(笑)。

とりあえずランディ・グッドラムのLogic Pro、ジェイ・グレイドンのProTools HDとNeveコンソールがメインな環境とクレジットされていますが、アルバムの方を聴いてみるとついついマイクに関して知りたくなってしまうなーと思う左近治でありました。サンレコ辺りが取り上げてもらいたいんですけどね(笑)。

左近治はこれまでDAW環境におけるセンター定位の注意点やバス送りパラ出しの妙味を語って来ておりますが、デジタル・ミックスにおいて弊害となりがちな音の扱いをライナーノーツにて堂々と語るのは非常に良いスタンスだなと思います。

ただ、ドラムのキックの音像が全体的にチト遠いかなー、とは感じましたがこの辺りは好みでしょうかね(笑)。

和声的な毒ッ気もどこかに無いものかと探している左近治ですが、ベッカー先生関連だともっと注力する左近治ですが、普通に「リスニング」しちゃってます(笑)。

私はジェイ・グレイドンも好きですがランディ・グッドラムは「Caretaker of Dreams」以来アルバムを手にしていなかったので実に今作リリースはグッドニュースだったんですな。アルバムの作風もランディ・グッドラム色が濃く出ていて(ジェイ・グレイドンはギター・ソロにおいて独特の世界を構築しておりますが)、非常に良いです。

お気に入りの曲はアルバムタイトル曲の「Scene 29」「Crumble Down」「Worlds Apart」でしょうか。特に「Crumble Down」はベッカー先生の音っぽい世界を繰り広げておりますね(笑)。この3曲はiPodで「5ツ星」です。

ちなみに他はこんな感じですか。

★★★★・・・「Call Donovan」
★★★・・・「Cure Kit」「Esquire」「GPS」「Make Somebody」「Your Heartbreak」

「Your Heartbreak」はCMジングルに使われてもおかしくないですね。ただ、これらの3〜4ツ星の曲の毒ッ気はブリッジ部にちりばめていてコア・フレーズ部分の毒加減がもうチョット欲しいな、と思ってこういう星取り勘定にしております(笑)。

「Scene 29」は、少々例えが強引になりますがアラン・ホールズワースの「Metal Fatigue」の唄メロをAORタッチにしたような雰囲気を投影してしまいました(笑)。ランディ・グッドラム色の強い世界観ですけどね。

「Crumble Down」は、初期〜中期スティーリー・ダンが好きな人にはドンピシャな曲でしょう。

「Worlds Apart」はジェントル・ジャイアントの「Schooldays」をついつい想起してしまう左近治で、これまた美しい曲ですが、曲が短い(笑)。まあAメロのコード進行は非常にイイし、ジェイ・グレイドンのアコギ・ソロもこれまたイイものではありますが、左近治が制作するとしたらこのギター・ソロはメセニー風のフレージングで、メセニーのあの音に仕上げたくなりますね(笑)。

今年入手したアルバムの中で最も気に入ったのは「Circus Money」ですが、JaRも結構イイ線行ってます。そうだ。今年はポーティスヘッドの新作もあったっけ(笑)。

毒ッ気解説については後日あらためて語ると思いますので、今回はこの辺で(笑)。