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てねもすろーず [MONDO]

ココ数ヶ月の制作裏舞台と言いますと、National Healthの「Tenemos Roads」をチマチマと作っては、他の曲に手ェ出してしまったりしてなかなか進捗状況がおぼつかなかったりするんですが、なんせ大曲なのでオイシイフレーズがあちこちにあるんで、着うた用にとなると非常にバリエーション豊富な様が私のアタマの中にはあるんですが、どうもそのイメージには具現化できていないようで(笑)。アタマん中のイメージ抱いているだけで酔ってしまっているという、もはや白無垢もとい、まさに白痴状態の左近治であります。



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ナショナル・ヘルスの1stアルバムの1曲目を飾る名曲。昨年の春頃にはHatfield and the Northの「Mumps」も手掛けたことが懐かしく思えるワケですが、やはりどうもプログレ関連はついつい作りたくなってしまうんですなあ。










ロック界も形骸化していこうとする時代において、形骸化していくシーンを嘲笑うかのようにそんなシーンに埋没されないような多様なロックの時代。こういう、良い意味においての「取り残された」音楽というのはついつい魅了されてしまいます。

まあ、「Tenemos Roads」を作りたくなってしまうのはそんな理由だけではなく、私の大好きなパウル・ヒンデミットの「朝の音楽」に似ているからでありましょう(笑)。

ヒンデミットの「朝の音楽」をご存知ない方は、その第三楽章やらを聴いていただければ「Tenemos Roads」が似ているというのをお判りになっていただけるかな、と。パクりではないですけどね。とはいえナショナル・ヘルスを普通に所有する人もどれだけ居るのかは疑問ですが。決してファッション・ヘルスじゃないですからね(笑)。

そんな裏舞台であるにも関わらず、肝心の曲を途中で制作を中断しては他の曲に色気を出していたのが、マーカス・ミラー参加の某曲だったりするんですが、先日のブログでも語っていたリチャード・アルダーソン。

この方と言えば名盤「ワインライト」を手掛けた人であるんですが、実はその次のアルバムの「Come Morning」の音の方が左近治は好きだと述べたのは先のブログをお読みになっていただければと思うんですが、両者のアルバムはレコーディング・スタジオもRosebud Studioでありまして、ことマーカス・ミラーに関して言えば「ワインライト」の方はライン録りの音が顕著で、「Come Morning」の方はアンプ・ミックスを施したような音なんですね。



特に、「ワインライト」収録の「Let It Flow」のド頭フレーズの奇数小節部の3拍目の高いC音の離弦の音(わずかなフレットのビビり音)と、そのゲートタイム(マーカスの弾く音価という意味)の絶妙さが実に巧みに録音されています。が、私が「Come Morning」の方が好きな理由は、「ワインライト」の方だとプロフェット5やオーバーハイムの音がフィーチャーされている向きがあるのか、シンセ音がアンサンブルに混ざったことによってミックス基準が若干変わってしまったのではないか、というのがひとつの理由(憶測ですが)。



もうひとつの理由は、「Come Morning」の時のマスタリング時に用いたリミッターは明らかに音圧を稼げているので、この両者のアルバムの間に使用機器などの変化があったのではないかという理由もあります。マスタリングスタジオは先述のスタジオではありません。

シンセの音とサックスの音を分離させるような狙いがあったのかもしれませんが、シンセというのはトラック数を束ねれば束ねるほど分離感を出すのは難しいものであります。特に減算タイプのものというのは。YMOというのは、よくもまああそこまでシンセに固執できたものだと改めて作業が大変だったろうなと思うんですが、シンセではないエレクトリック楽器によってアンサンブルを構築して楽理面においても楽しめるといいますか、シンプルな楽器構成においてアンサンブルの醍醐味を追究したり、そのアンサンブルをいかに心地よくミックスするか、というような「間の聴き方」ができる音楽って最近少なく感じられるようになりました。

ポピュラー・ミュージック界隈では「間」などあるのか!?といわんばかり(笑)。あってもオートメーション多用のギミックだったり(笑)。

インストゥルメンタル音楽の間の取り方だけではなく、日本語には無い半母音の要素とか、出音をADSRで表現するならばアタック部分にしか注力していないような国内の多くのポピュラーミュージックの音作りというのは実に面白みに欠けるモンなんですなあ(笑)。

えらそーなコト抜かしてる左近治ですが、そろそろ英語ネタにでも持っていっちゃいましょうかね、と。

AUXって何て読むの?とかね(笑)。フランス語なら「オゥ」?(笑)。おっと、英語抜かしてフランス行くなんざそりゃいけねぇってんで、その後はスペイン?

そんな道探ると「Tenemos Roads」に行き着くのかもしれませんな。