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Logicユーザーのためのサイドチェイン・フィルター・ゲート [ネタバレ]

Logicの難点はとりあえずはゲートプラグインにSCフィルターのパラメータが無い(笑)。これさえあれば数多いプラグインを備えるLogicとはいえかなり追い込めるとは思うんですが、正直なところコンシューマレベルではゲートというエフェクト自体過小評価されているようなところがあって、音に劇的な変化が加わる、いわゆる化粧タイプのようなものに目がいきがちなのでゲートそのものの使い方がクローズアップされていないところに原因があるともいえるんですが、一応ゲートは備えているわけですね。

前にも述べたように、狙った帯域のみゲートがかかるようなセッティングはサイドチェイン・フィルターを使わないと出来ないですし、発想を変えたルーティングについても以前に述べた通り。ユーザーからの要望が増えればいずれは要望に応えてくれるかもしれませんが、特にドラムの加工には無くてはならないほど多用するSCフィルターによるゲートなので、この辺りは是非新バージョン辺りで搭載してほしいモノなんですな。

私が気に入っているのはSonalksisのSV-719やMIOの+DSPでのエフェクト達。SV-719は通しただけでも僅かな音色変化を伴ってコンプを若干通ったような微妙な変化が絶妙で、やたらと太くなるわけでもないけれども、中高域の抜けが良くなってゲートの応答も杓子定規のようなリニアな曲線っぽくならないのも気に入っている所です。30日間デモで使えるので興味のある方はSCフィルターをSV-719で試してもらえればな、と思います。

SV-719ではHystを4.0dBくらいにしてアタック最小、Hold=15msec、Release=255msec辺りにセッティングしてSCのFilterのスイッチを入れて、フィルター部のレベルを-24dB、100〜350Hzあたり、Q幅0.8くらいにしてみて、フィルターの周波数を前述の範囲くらいで色々変えてみてください。スレッショルド自体はソースにもよるので一概に言えませんが-12〜25dB辺りに落ち着くのではないかと思います。音が出てこないようならスレッショルドを下げてみればいいので(笑)。

こうすることでSCフィルターの効果というのをあらためて理解を深めることができると思います。SV-719の私の気に入っているのは、レンジが広く録音されているベードラに、上記のSCフィルターゲートをかけて、周波数を8.5kHz〜11.8kHz辺りにセッティングしてフィルターを-18dBくらいにしてQ幅はやや広めにすると、ソースによっては残響感とうまく分離して独特の空気感が得られますのでお試しあれ。特にルームマイクが混ざったベードラのソースには非常に合いますので、その絶妙な効果をお探しになってみてはいかがでしょうか。

この効果はSV-719独特の効果なので、音色変化とともにキャラクター付加が非常に絶妙にプラスに働くセッティングなのでオススメです。SV-315も非常にイイコンプですが、敢えてコンプのキャラクターを避けつつゲートで緻密に音作りをしていくという方に目を向けてみてもらいたいものであります。

SCフィルターによる音作りが可能なのは何もSV-719だけではありませんが、いい意味でアナログを介在させた時のような音の変化具合が付加されながらその効果やパラメータの豊富な操作とは相反して効果が得られやすいという判りやすい設計なので今回紹介してみたわけです。