SSブログ

例えばスネアの部分音 [ネタバレ]

生のドラムだろうがドラムマシンだろうが、音色を弄る際多用するのはEQではないかと思います。生ドラムの場合だったらチューニングそのものもキメ手となるので、EQばかりではどう足掻いてもチューニングそのものを見直す必要なシーンだって多いもの。

ただ、生ドラムの場合は、よっぽどラフなチューニングを意図して用いない限りは、チューニングのイロハを知っていないといつまで経っても理想の音に出来ないスパイラルに陥ることだってあるでしょう。生ドラムをサンプリングした音源だってチューニング面を見るならば、その多くは一般的なヘッポコ音と比較すればどれも整っている部類に属するものだと言えますが、より厳しく見てみると各メーカー&各商品はキャラクター演出のせいもあるのでしょうが、整い具合は結構差があったりするものです。

「汚い」とまでは言わないまでも、比較的整っていない類の音の特徴というのは打面の部分音分布の汚さ故に(笑)結局は、本来スネアなどが出すような特徴的な部分音と「汚さ」が埋没し合って、打面の細かな部分が相殺されてしまいがちで、そのクセちょっとでも打点が違うとチューニングそのものが整っていないので部分音の分布具合がコロコロ変化しているのだかれども多くはスナッピーにかき消されているから気に留めないような音、というのが意外に多く存在したりするんですな。

鍵盤で例えるなら「ド・ファ・ラ」という風にスネアの部分音が構成されていたと仮定します(実際にはもっと複雑でこの例はあくまでも仮定です)。汚いチューニングで打点が変わって「レ・ファ#
・ラ」に変わったんだけど、トップノートが変わらないから変化に無頓着、みたいなね。

つまり、整ったチューニングというのは鍵盤に例えるならコードが大きく変化せずに、音のニュアンスの変化を楽しむ方が理想的だったりするわけです。もちろん偶発的に部分音の汚さがパワフルとなって、それほど細かいニュアンスなど求められないシーンであれば乱れた部分音分布が功を奏する時だってあるかもしれませんけどね(笑)。

生ドラムでこれだけ無頓着だった場合、ドラムマシンやらサンプラーの音を加工して作る時どーすんの!?ってぇハナシなんですが、楽理的な面や倍音構造など難しいこと考えることなくとりあえず「カッコイイ」音を作ろうとしているとは思うんですが、EQやコンプ、時にはピッチエフェクトやら汚し系と言われるエフェクト、変調などありとあらゆることを試してトライ&エラーしていると思うんですな。共通するのは部分音を新たに作ったりしてスペクトラム分布を変えようとしている。つまりはこういうことだと思うんですが、日本語一辺倒な人より外国人の方が部分音の計算高さや「分析」能力というのは結構高いのではないかと思うんですな。もちろん日本人であってもそういう能力に長けている人は多いとは思うんですが、外国人の場合は特に音楽的な知識などなくても、このような部分音やら言葉の子音には非常に敏感であるため、一般的な日本人と外国人がその手の音作ると、スペクトラム構造的にはかなり違いが出る音を構築して、特に外国人の場合はアタック部だけではなく、ディケイ部の音の変化にも非常に鋭敏な感覚を持っていると思います。日本人的な感覚だと「なんでその音を使おうとするの?」というような発想に思えるくらいの。

まあ、外国人の場合は虫の鳴き声には返って無頓着だったりするワケでソコは一長一短の面もあるんでしょうが、かなり以前にも触れたことでありますが例えば「bullet」と「squarrel squirrel」の発音を何度も外国人から「違うっ!」と指摘された左近治の過去(笑)。

「bullet」の場合はカタカナ表記であれば「ブレット」ですが、発音的には「ブゥレッ」なんですな。しかも「ゥ」の時は口ン中で一旦舌でちょっぴり音を「ふさぐ」ような形で、2つの目の「L」で、ふさいだ舌の動作を維持したまま「L」をちいとばっかり意識して発音するような感じの音。つまり、「L」が2つ続くスペリングを2つ一辺にひとつの「ル」のような音ではないということなんですな。

squarrel squirrel」だって向こうの発音はほぼ「スクワォ」。「ォ」の後にドラムで例えるならフラムの要領で直後に「ゥ」という感じで、先ほどの例の1つ目の「L」のような感じで音を止める、と。

左近治のようなボンクラ日本人がこれだけ無頓着であるのに、エレクトロなドラムの部分音をアレコレ編集しようなどおこがましい(笑)。

とまあ、そこまで無頓着な音があるにも関わらず、音楽のアンサンブルなどいかに言語とは違う音の分布とはいえ見逃す事のできないシーンというものがあったというワケです。

英語で決定的に日本人が不得意とする音は「J」「Y」「L」「T」「D」ではないかと思ったほど。この音に敏感になれば少々音の志向具合も変わるのではないかと思い、色々トライしたものです(英語を)。

ま、そんな反省を踏まえて今回はまぜこぜなドラムの音を使って少々エレクトロ風味を醸し出すことに。