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間接音 [サウンド解析]

まあ、前回の続きでアレルギー面やらにも目を向けてみると例えばサンレコに寄稿している赤川新一氏の記事は、居住空間の在り方などを踏まえながら興味深い記事を読む事ができ、近年のサンレコにおいては貴重な記事のひとつになっているように思うわけですが、今月号の水道水とシックハウスの関係はかなり興味深かったのであります。

健康なんてのは自分自身が健康な時は概ね無頓着なもので(笑)、耳すらヘッポコな人が多いものだから音に関わる日常だってかなり無頓着。

突然居住空間が変わればさすがに間接音にともなう残響の違いを判別することは可能であっても、慣れが生じてしまえば無頓着になってしまうのが大半ではないでしょうか。

間接音の分布具合やら果ては空調や室内の温度変化に伴うピッチのゆらぎなど音感鈍い人なら勿論無頓着でしょう(笑)。だからこそ自分自身の血圧や心拍数の変化なども健康だからこそ無頓着になってしまって自分のみ見回りの血流すらも無頓着。これらのファクターなど無関係にブラインドテストなど容易く展開してしまうという情けない有様。

自分の声などいかに間接音に「作られたもの」なのかということは、以前に無響室について語った時でも体験談として述べましたが、間接音が作り出してしまっている音質に惑わされない目利きというより「耳利き」が重要になってくるのかなーと思います。

自分の部屋を「器楽的な」音響ルームにチューニングしたいという人は多いでしょうが、実は生活空間のキモとなる床部分に目を向ける人は少ないのが実態でしょう。

床で全てを構築するというのも「どだい」無理なハナシですけどね(笑)。

間接音を積極的に取り入れることだってあるし、実際にはこういうシーンが多いわけですね。DAWソフトで全てをバーチャルに片付けてしまうとついつい見落としてしまうシーンかもしれませんが、だからといってサンプル音源でマイク収音の間接音部分まで目を向けている人は少ないでしょう。出されたもの(リリースされたもの)をそのまま素直に受け止めて、その音にEQやらダイナミクス系で若干の編集を加える程度だったり、というレトルトカレーに一工夫!みたいな程度に済ませちゃっている人いませんか?(笑)。

たまたまアレルゲンの耐性があるからシックハウスに気付かない。それは自分の環境に只単に慣れ親しんだだけの基準で音を決めてしまっているという。今の時代音感を鍛えるどころか衰えさせかねない時代でDAW人口が増えていくという悲しい現実に目を向けざるを得ないと。気付いた時には自分自身が健康を損なう(=器楽的な意味ではこの場合、求められる「音感」が無いということとの暗喩です)ようでは時既に遅し。

これだけ暑いさなか、自分の家の周りでの温度変化には敏感でも、その慣れた場所での音響の変化に目を向けて敏感になってみれば気付くことなど沢山あるんですけどね。