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10年前を振り返る [テレビ関連]

昨夜は「お試しかっ!」を観てから就寝しようと思っていたのでありますが、ひょんなことでNHKで椎名林檎が出るということに気付いて椎名林檎を観ることに。日付的には昨夜ではないんですけどね。余談ですが、この時間帯に戻ってきてほしい「くりぃむナントカ」(笑)。

椎名林檎を観ていて、「そうか、彼女はもう10周年なんだ」とあらためて気付いた左近治。「若いのにもう10周年か〜」と感慨深く年月を感じたものであります。

10年前なんて日本の初W杯出場で沸きに沸いていて、アルゼンチン戦の直前なんか街から車が消えましたからね〜、ホントに。あの辺りの時期を思い起こすと、確かに日本の音楽産業破竹の勢いだったように思います。J-POPシーンすら疎い私でも色んなJ-POPの曲を耳にしたような。

モー娘。も居たでしょうし、SPEEDだって当時はまだ健在だったような記憶が。記憶は曖昧ですが、確か浜崎あゆみのデビューと椎名林檎のデビュー時は殆ど変わらないかもしれません。いずれにしてもJ-POPが隆盛を極めていた時期であるのは間違いありません。ウィル・リーとオマー・ハキム聴きたさにSMAPのCD買ったのも確か10年くらい前だったような気がします。あの、Nite Flyteの「You Are」に似てるアレですね。宇多田ヒカルがデビューしたのはその数ヶ月先くらいではなかったでしょうかね、確か。カラオケでも私がGLAY唄ってたことに驚きを禁じ得ません。

まあ、そんな左近治。当時くらいなら少々J-POPについて語れます(笑)。私がそうなんだから一般的には知ってて当たり前!くらいのコトなんだろうなーと思うんですけどね。

普段はどんな音楽聴いても「歌詞は全く耳に入ってこない。メロディこそ全て!」みたいに語っているワケですが、私が椎名林檎を好むのは、彼女の歌詞は「入ってくるから」だと思います。ついつい歌詞方面にも注力されてしまう。メロディの音程差や言葉選びなどにもそういう感性が備わっているのでしょうし、流行語を挟まないから普遍的になれるのだとも思うんですな。且つ、バンド・アンサンブルを彼女自身が好むのか、各パートのリフが攻撃的に目立ってこようともそれを許容しながらも存在感をアピールできるボーカルと言いますか。そんなバランスも絶妙だから聞き入ってしまうんでしょう。

10年前のDAW環境というと、スタインバーグ社がVSTをリリースしてシンセやエフェクトのソフト化が進み始め定着してきた頃。ネット接続だってテレホーダイで56kbpsが主流の頃。今では隔世の感がありますね。ケータイが浸透し始めてきたのもこの辺りではないでしょうか。

音楽産業はそれこそ今では衰退しているのは国内に限ったことではないとは思いますが、産業レベルで語るのは別として、例えば楽器レベルでのシンセサイザーを見てみると、ハードからソフトに移行しつつも、発音原理やらの部分で大きく変わったということはないと思うんですね。もちろん処理速度が向上したおかげで物理モデリングやコンボリューション、グラニュラーなどが進化しましたが、出音でどれだけの変容度があったかというと、それほどではないと思うんですね。

それよりも、デジタル・レコーディングにおいての音の解像度が格段に向上したのは、この辺りを境に変わってきたのではないでしょうか。当時どれくらいのビット深度やサンプルレート周波数を用いてDAW環境に携わっていたかを比較すると、あらためてその変化の大きさが判ると思います。

MDのピークも10年前から2000年初頭辺りではないでしょうか。CD-Rにコピーするというのが広く普及し始めたのもこの辺り。

CDの違法コピーも何かと物議を醸し出しましたが、著作を管理する団体がそのような行為を「カジュアル・コピー」だのと形容してしまうのは良くないことだと思うんですな。「カジュアル」という言葉で消費者をソフトな言い回しで煽らない配慮は判るんですが、違法なことを「カジュアル化」させた言葉でヤンワリ表現しちゃイカンと思うんですな。

「プチ銀行強盗」だの「カジュアル強盗」など、そんなの通用しないワケで。銀行窓口で1円玉1枚盗んだって強盗には変わりなく、たかだか数万円欲しさで命落とす犯罪だってあるわけですから、人名に直接は無関係にしても、違法行為を「カジュアル」と形容しては、啓蒙活動に相反する言葉だと思うんですな。違法コピーの元となるのはCDショップからの盗品ではなく、レンタルCDが主立ったり、知人の所有物だったりするのが大半だったワケですからね。

コピー機だって高性能化して、CD盤にレーベル印刷したり、下手すりゃブックレットだって印刷して複製するユーザだって存在するでしょう。

いくらコピー機が高性能化しようとも、その能力が紙幣の印刷レベルを凌駕することはなく、紙幣の印刷技術というのは常に最先端邁進していないといけないわけですな。

音楽を制作する上でのハードウェアはもちろんピンキリあるんですが、紙幣の印刷と同様に考えると、一般的なレベルでの高性能と制作現場の高性能の差は縮まっているのは確かでありましょう。とはいえCDがSACDに置き換わるわけでもない。DVD-Audioに置き換わるわけでもない。CD-DAに落とし込む音がより向上して、ある程度駆使すれば、それこそ「カジュアルな」DAW環境でもソコソコのクオリティを保つことが可能になっている現在。インディ・レーベルと契約して配信しているアーティストの多くなど、カジュアルな環境とほぼ変わらないもので制作していることも珍しくありません。

かといって円盤メディアをさらに高い性能のメディアに置換した所で、それにて録音するソフトがガラリと魅力溢れるものに変わるのかというと実際はそうではないでしょう(笑)。ある意味でここを容認しないと、結局はまた消費者に足下逃げられてしまうと思うんですな。CDよりかはクオリティが低いはずの配信ものでも十分満足する層がいるということは、その配信ものからいくら「カジュアル」コピーされようがCDレベルを凌駕することができないわけですから、CDコピーされるよりかはよっぽどイイのではないかと思うんですが、彼らの本音は原盤のクオリティうんぬんではなく、結局はクオリティの善し悪しではなく円盤メディアが売れないことにはCDの小売業界からの突き上げもあるし、製造業界からの突き上げもある。そっちに大きく配慮していることが消費者に見透かされているわけであります。

iTunes Storeで最初は200円で売る、当初は150円が多かったのにそれでも売れてくれるものだから200円が標準化しているようなもの。円盤売りたさに時間差攻撃やら、あげくの果てには減価償却するまで続けるのか、未だにiTunesに参入しない所もあったりなど(笑)。

どっちも売れてほしいんなら、それぞれ尺変えたり別バージョン売ればイイだろ、と。どうせボーカルトラックはコピー&ペーストで済むんだから(笑)。

まあ、CD産業が底が見えたと言っても、来年の今頃また前年度割れしないようになるのかは怪しい。「レーベルに会員登録したら配信してやるから!」ビジネスも増えてきてますし(笑)、これじゃ街のカラオケ自慢の演歌フリークに「金用意すればレコード出してやるよ!」ビジネスと何ら変わりないものになっちまってるんですな。

いやはや、悲しいもんですなこりゃ(笑)。