SSブログ

Logic Pro 8でサイドチェイン・フィルター的発想のゲートを試みる [ネタバレ]

ドラム類では頻繁に使うゲート。特にサイドチェイン(以下SC)を用いるのは効果的。但し、ドラム類に使うSC動作は大きく分けて2種類ありまして、それは!?

●トリガーとして機能する帯域によって呼応して、ターゲット音の「全帯域」にゲート処理

●トリガーとして機能する帯域によって、ターゲット音の「一部の帯域」にゲート処理

こういう風に大別させる事が出来ます。

不要な残響部だけをゲートでカットしたい。だけれども、Logicのゲートを幾ら使っても狙った通りにはならない・・・。

こういう悩み、先日のマージャンにおいても話題になりました(笑)。

私がドラム類でよく使うSC動作は、先の例では後者の方。サードパーティー製プラグイン類で用いられているSCゲートには、SCフィルター的発想で動作させるゲートがありますが、LogicにおいてSCフィルターは発想を変えないと行けません。単体プラグインではムリがあるってぇこってす。

エフェクトの原理とでも言いますか、その辺りまで発想が及ばない(単体プラグインだけでやろうとしてしまう)からこそ陥ってしまう悩みですな。着眼点はイイのでありますが、初歩的なつまずきであります。

が、しか〜し!Wounded no more!眞鍋かをりも言ってます。

「もう、悩まないッ!」

これにて安心。LogicでのSCフィルター的動作のゲートは一体どういうモンかととりあえずサンプル用意しました。



最初の音が無加工の音。その次がSCフィルター的動作のゲートで処理した音です。

無加工の音をそのままアップロードすると著作権的にも問題があるので、本来なら全く必要のないシンセのパッド音混ぜていますので、ソコにはツッコミ入れないで下さいね(笑)。権利関係にも問題無く、関係各所に配慮された、底意地の悪い左近治が贈る愛情タップリの心遣いということをご理解いただければな、と(笑)。

ドラムキットはEXS24mkIIの「Studio Tight Kit」のキックの音を使っております。

例えば、インストゥルメント・トラックにEXS使ったなら、そのトラックのエフェクト類はまず下記のようにセッティングします。

コンプ --> EQ

各エフェクトセッティングはこれらの通り。拡張パラメータにも細心の注意を払って見落としなくセッティングが必要です。

SCfiltered_01comp.jpg


SCfiltered_02EQ.jpg


そして、Bus1とBus2(いずれもポストフェーダー)で、どちらも送り量は「0.0」にして見てくださいね♪

※重要なコトを書きそびれてしまいました!ここでのインストゥルメント・トラックのアウトプットのアサインは「無し」に設定することが重要です


Bus1のセッティング

ここではEQのみインサート。そのセッティングがコレ。

SCfiltered_03bus1EQ.jpg


Bus2のセッティング

ここでは下記のような順序でプラグインを用います。

EQ --> Noise Gate --> Direction Mixer

で、それらの各プラグインのセッティングは下記の通り

SCfiltered_04bus2EQ.jpg


SCfiltered_05bus2NoiseGate.jpg


SCfiltered_06bus2DM.jpg


Bus2で使用しているノイズゲートは、Logicの機能のひとつでサイドチェインのアサインが可能になっていますが、ここではサイドチェインのアサインは必要ありません。

これらのルーティングの特徴は、ひとつの音をふたつの帯域にパラって処理しているという事です。LPFとHPFを使っているという事ですね。HPFの曲率やらはひとクセもふたクセもあるようにしているのがミソですね(笑)。

でも、今回のセッティングはあくまでもこのEXSのキックを元に作っているだけなので、タム類などに使ってもチャタリングふんだんに表れるんですが(笑)、この発想さえ掴めば帯域バランスなどは各自研究して応用が利くと思われます。

まずこれらのセッティングでキモとなっているのはコンプを強くかけている(VCAのアルゴリズム)。スローアタック気味で。それとノイズゲートの比較的高いスレッショルドと速めのリリースタイムがポインツ!となります。チャタリング回避しつつ、低域成分を殺しすぎずにカットしているというのがYou have a clue what I talk about。つまりお判りになっていただけるかと。

2つにパラった信号をまとめたい場合は、オーディオインターフェースの別の入力経路をアサインしてそちらでまとめたりする必要が出てくるかもしれませんけどね。

私の場合はMIOのFireWire Return使ったりしております。FW Return使えば同時に他のDAWアプリ起動させて、そちらにルーティングさせたりもできるんでいちいちReWireなどにこだわる必要がないんですね。

入力数に乏しい人はSoundflowerで対処したり、色んな方法があると思います。

今回重要な点というのは、LogicでのSCフィルター動作によるゲートの使い方。私の周囲でこういう人がいるんだからネタ的に結構イイのではないかと思って今回このように記事にしてみました。狙いがお判りになっていただければ幸いですが、この手のサードパーティー・プラグインを導入する方が手っ取り早いかもしれませんけど、Logicだけで完結させたい場合など、原理や動作を判っていればいくらでも対処できるという事でもあります。

気をつけて欲しいのは、ゲートであまりに切りすぎると、オケがワンサカ入って来た時に味気なくなりかねない所。そうすると結局ゲートを活かさない事にもなりかねません。

例えば、かなりゲートで元の音を切ったとしても、その音に対してアーリー・リフレクションを付加させたり、残響付加させたりと手段は残されています。その負荷した残響をさらにSCが利くようにして残響をコントロールさせたりする事への応用というのも、今回のセッティングでお判りになっていただけるかと思います。色々お試しいただければ幸いです。

最後に書きそびれていたことを・・・。 実際のSCフィルターの動作というのはこの設定とは全然違うものであります。あくまでもSCフィルター的に狙ったポイントをカットしてくれるタイプのゲートをLogicのデフォルトのエフェクト群を用いてそういう音を得るには!?ということに主眼を置いているのでご理解願います。