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夜桜お七インダストリアル [ネタバレ]

寒いのは得意な左近治。まだまだ寒い時があるとはいえ、左近治にとってはすっかり春の訪れを感じておりまして、花粉症さえなければ青ッ鼻垂らしてルンルン気分♪で頭のてっぺんにはチューリップ根差した気分なのでありますが、なんだかんだ言いつつココんところ冬は短くなったものだねぇ、と痛感するのであります。

春の訪れを俄に覚えるようになったので、久しぶりに「夜桜お七」をリリースしようかな、と(笑)。

この曲の前奏は本当に素晴らしく、本編は宴の勢いや余興に任せたポップなノリではあるものの、この曲は前奏に曲の良さと坂本冬美の歌唱力の良さが凝縮されていると思うんですな。

妖艶漂う前奏の曲調はまさにソナタに発展しても良さそうな雰囲気すら醸し出していて、着メロ時代は「Sehr Langsam」(ゼール・ランクザム)として可能な表現を和洋折衷な雰囲気を醸し出してエレクトロ感を演出していたのでありますが、今回は着うたなのでトコトン音像を凝ったモノにしてみようかな、と発奮(笑)。

制作時は雪もチラつくくらいの寒い時ではありましたが(笑)、3月7日リリースは全部で7曲というラインナップです。

まずは、先週もリリースしたジョン・パティトゥッチの「Baja Bajo」のマットなスネアバージョン。前回リリースとドラムのMIDIデータは微妙に違います。なにせ両者ともスネアの音にはかなり拘ったので、それに伴うスネアの音色はサンプルのレイヤーの組み方も全く違うので、同一のMIDIデータを流用した程度ではきちんと鳴らないのは当たり前。今回のマットな音のスネアの方がマーチングっぽくもあり、カリウタっぽいかなとも思うんですが、前回のジャジーなアンビエンスの利いた音の方が実際には細かいダイナミクスやロールのバラけた感じやシズル感やスナッピーの鳴りは感じられるんですが、まあ好みは各人色々あると思うんで2つのバリエーションにしてみたぞ、というワケです(笑)。


EFXシリーズはとりあえず3曲。

1曲目はケミブラ風のジングルですな(笑)。ムーグの音でベースのシーケンス組んでます。ムーグの音にさらにフィルター噛ませてるんですけどね。フィルターはMIDIやCVのトリガー物ではなく、スタティックです。ココが実は肝なんです(笑)。

2曲目は、今後もリリースし続けるであろう、新たな企画で「おみくじシリーズ」と題した第1弾。

何がおみくじなのかってぇとですね、曲(ジングル)の出だし部分は変わらず、曲が少し進行していかないと区別が付かないジングルとなっております。まあ、10秒前後の短いジングルなんですが、後半の数秒にさしかかるまで、着信音設定してもほんの少しヤキモキ&ドギマギ&ハラハラ感を募らせてもらおうと思いましてですね。

で、今回はフレンドリーな感じの「当たり」バージョン(笑)。すなわち、仲のいい人とか設定してあげるとイイかもしれません。翌週には「ハズレ」バージョンや「ガッカリ」バージョンも用意しております(笑)。「なんだよ、コイツからかよ!」みたいなね(笑)。


そんなドギマギ演出に追い討ちをかけるように、EFXシリーズの3曲目はチョットしたアイキャッチ風のショート・ジングル。

「Got laid?」と言っておりますが、文法的に正しくは「Did you get laid?」です。しかし口語なのでこのように。意味はというと、これまた解説するのもアレかと思うので、みなさんとってもよくご存知のHな感じのコトバですね(笑)。EW&Fの「Boogie Wonder Land」でも言ってますね。

演出のシチュエーションとしては、半ばストーカー気味に発狂した男に女の人が追い掛けられ悲鳴をあげている、と(笑)。逃げ延びたと思ったら、マンホールのフタを開けて登場(←マンホールのフタを片手で押さえながら舌出してニョキッ!と現れるような感じ)みたいなシチュエーションです。

なにゆえ曲解説で「浮気疑惑」なのかというと、「ヤッたのか?」と訊ねているからですね(笑)。そういやスティーリー・ダンの曲に「Everything You Did」という曲がありますね。

「この売女野郎!お前の浮気なんかツルッとマルッとお見通しだ!ご近所に聴こえるから掛かってるイーグルスの曲消せ!」みたいな詞の内容ですね(笑)。寓喩タップリのスティーリー・ダンですから、痴話ゲンカの歌詞と思わせて他の意味が込められていたりするんですがダイレクトな意味だとこんな感じですか。まあ、この詞の男女の立場が全く逆のパターンはこれまで目の当たりにしたことがありますが(笑)。

それをコミカルに表現したと言いますか(笑)。女性が逆に、半ばストーカーっぽい、常に豪速球勝負&テンパったタイプの男に設定するもよし(笑)、男の方が自分の恋人や妻にヤキモキして浮気疑惑のある人に設定してみたりと、用途は様々です(笑)。イヤミ言わせると変化球グイグイなのに、女性との付き合いとなると豪速球、というそんなハードな人に設定してあげたりとか(笑)。男がマウンドでひざまずく時というのは、やはりコンプレックスを指摘されるような時でしょうな(笑)。

さらにはルパンのタイプライターSEのダンスMixバージョンのショートジングル(笑)。

そして坂本龍一ファンの方々に、「Mother Terra」のオリジナル・アレンジの続編でAパターン部、と。そして本ブログタイトルの「夜桜お七」のインダストリアルMixというワケです(笑)。


今回、「夜桜お七」はDAWの視点で見ても非常に多くのソフト音源を使ったので、そういった話題もかねてブログタイトルにしたというワケですね。

ところで「DAW」って「ドウ」なの?と思われるかもしれませんが、普通に本国Metric Haloでも言ってますし、ネットでもムービー公開してます(笑)。律儀な毛唐の人達でしたら「でぃーえーだぶりゅー」と言っていると思いますが、普通に「どう」って読んでます。

まあ、日本のメーカーとか代理店の類は広告費削減のためにネットを活用しているためか、わざと変な呼称を用いて検索ヒットの向上を試みるような卑しい部分がありましてですね(笑)、楽器店には足すら運ばない人なんて見慣れない言葉など「どう」読んでイイのか判らない人も多いと思うんですね。でも、「width」を「わいず」はチョットなぁ、と思うことしきり(笑)。

とりあえずハナシを戻すとですね、今回「夜桜お七」のソフト音源は33個使いました。全部ステレオ出しでサラウンドミックスで構築して、それを2ミックスに変換したんですね。バイノーラルももちろん使っています。但し、細かなパンニングやらオートメーションたっぷり、という演出はしておりません(笑)。それでも結構音像はリアルタイムに可変しているのがお判りかと思うんで、かなり臨場感が出るのではないかと思っております。

それに3種類のIRリバーブとBusやAuxアサインでかなりのチャンネルを使いました。意外にスッキリした感じなのでそこまで数を感じないかもしれませんけどね、結構負荷は高かったですね。久々に重量級アレンジを施して「フリーズさせないとまずいかな」とヤキモキしてしまいました(笑)。サンプルレートが半分やら44.1kHzなら全然問題ないんですけどね(笑)。とはいえG5 Quadでもまだまだ大丈夫です。メモリとHDDをさらにマージン増やせばもっとイケるんでしょうが、アレコレやる前に結局はMac Pro買ってしまうのではないかと思う左近治です(笑)。

こういう制作環境なのはやはり音質をより良くしようという思いからでして、極力エイリアスノイズを排除させたいという思いもあるからなのは先刻ご承知です(笑)。

BTW、エイリアス・ノイズの実態はどうなっているのかと言うと、ナイクイスト周波数より突き出ようとした周波数は、ナイクイスト周波数を中心に折り返して「ミラーリング」しているんですね。

判りやすく言うと、例えばナイクイスト周波数(折り返し地点)を突き抜けた周波数が「ドミソ」、という風に「C、E、G」となっていると仮定します。

そうすると、実際には折り返し地点からその音程差が「ミラーリング」されて跳ね返って実際の可聴帯域に影響を及ぼします。折り返し地点が丁度「C」の音だった場合、跳ね返りが「A♭、F」という音になってしまうというワケですね(笑)。

ジャズの世界で言えば「ミラー・コード」や「ミラー・モード」という楽理の概念でもありますが(笑)、こんな高域でジャズやるのはあまりに無理がありますし、そもそもジャズの世界でもミラー・モードは多用されているワケではない(笑)。Cメジャー7thのルートからミラーリングすれば下に「D♭」を形成して「C△/D♭△」となるような(笑)。しかも重要なのは倍音構造だって等しくミラーリングされているワケですから、音色をキープしたままミラーリングされてしまっているワケではなく、仮に和声的に調和する跳ね返りだったとしても、音色は全く別物なんですな(笑)。

これがエイリアス・ノイズの実態なワケです。

先のブログでサンプルを用意して、44.1kHzで制作したデモでハットの音がより大きく聴こえるのは、エイリアス・ノイズの影響を受けやすい帯域とハットが重なっているからでありましょう。ハットである意味功を奏しているのはハットの類が非整数次の倍音も多く含んだ音程感が希薄な音だからですね。これを(=そうおん)と言います。功を奏すと形容しましたが、私にしてみれば予期せぬ音に変容させられてしまっているワケでして(笑)、まあこういうのをポジティヴに捕らえるかネガティヴ要素として捕らえるかは人それぞれでしょう。しかも、たまたまこの場合はハットに影響を及ぼしただけであり、エイリアス・ノイズの影響以前に超高域をEQで弄っているソースがあって、素材がかなり上まで(それこそナイクイスト周波数を遥かに付き抜けたような)伸びている音ならもっと低い可聴域の周波数まで影響を及ぼします。ミラーコードを思い出してくださいね(笑)。

ヒップホップやDJなどのフロア系クラブシーンでは、エイリアスノイズの影響をポジティヴに捕らえた音作りも普通にあります。わざと非常に低いサンプルレートに落とす前に結果を逆算して高域をフィルターで強調しておいて、影響を及ぼさせるという類の。それで汚し系と言われるエフェクトやらも多用したり。こういうワザは15年くらい前からポピュラーです。

シチュエーションによってはアリだけれども、そうなってほしくない時はやはりエイリアス・ノイズの影響を極力無くしたいというのが人情でありまして、これがサンプルレート周波数の使い分けの必要性が伴うシーンの一例でしょうか。

コピー・プロテクト施されてなければトコトン扱いやすいのがデジタルとはいえ、手軽さだけに盲目になってしまって本当の音の良さを追求しない人が実際には多いのがデジタル社会の齎したモノですね(笑)。そこでTips与えてどうすんの?と思うかもしれませんが、ある程度の品質を満たして音質へ飽くなき追求をする層は今も昔もそんなに変化してないんですよ(笑)。寧ろ昔の方が多かったかもしれません(笑)。術も知らずに環境も有していないのなら一所懸命DAW制作に励む人達と同列に語るのは失礼極まりないってぇモンですよ(笑)。

ほんの少し深くググれば違法なMIDIなど落ちているようなネット社会。そこに手を出してインスタントに自分で音楽作ったり(←違法です)、なんちゃってDAW気分味わえる現在でもありますが、だからといって私がそんなオコボレMIDI利用していると思われるようでは心外でありまして(笑)、誰もが手にして作れるような曲やっても面白くないから、こうしてアレコレとクダ巻きながら「こっちの世界」の楽しみを披露しているのでありますね(笑)。