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閏年と五輪 [制作裏舞台]

閏年って必ず4年に1回来るってワケじゃないことを知ったのはもう30年以上も前の事だったでしょうか(笑)。カレンダーは400年後でも使えるよ!という事とか(笑)。400年も経てばW杯100回観れる事になるという(笑)。その頃の音楽テクノロジーはどうなっているのだろうかと考えても予測すらできません。

まあ、電力は完全にワイヤレス送電で、電気ドロボー発生しないようにネット界隈っぽい発想で考えれば暗号化やMACアドレスのような拡張された規格で各端末に電力を届けるようになるんでしょうな。テレビメディアは一体どうなっているのやら。BSなんて隣国でもゴースト視聴できて黙認していたのに、地方じゃ中央局などの在京・在阪の番組が観られないのはどうなるんでしょうか?(笑)。小笠原諸島だって「東京都」だからこそ再送信して在京放送観られるんだから、今でもすぐに実現できそうな気がするんですけどねえ。チャンネルばかり増えても地デジになって特別変わったワケではないし(笑)。越境受信していた人が泣き見てしまうという皮肉。


扨て、左近治も長い事Kクリやってますけど2月29日にリリースというのは記憶がありません。親類に2月29日生まれがいるためか、ついつい2月29日は特別な思いをより強く感じてしまうのであります。

で、肝心のリリース曲はというと、EFXシリーズが2曲。それとJohn Patitucciの「Baja Bajo」(バハ・バホ)、そして坂本龍一のソロ・アルバム「B-2 UNIT」に収録の「iconic storage」というラインナップとなっております。

EFXのひとつは、80年代中期を思わせるリズムマシンのリフにチャップマン・スティックを加えた、シンプルなリフ。それときらびやかな効果音のショートジングルです。


「Baja Bajo」の方は、なんだかんだ言って一番注力したのはヴィニー・カリウタのドラミングでありましょう。今回スネアはアンビエンス感溢れるジャジーな音にしたんですけど、この音を選択した理由は、バラけた感じのバズロールを演出する際に生じるシズル感がこの音だと非常に顕著に表現されるから、という理由です。楽理的な分析については先のブログに書いた通りです。まあ、コード全部載せるのも野暮ですし(笑)、明記していない所のコードは判りやすいので割愛したんですけどね。

付点16分音符(実際には休符)織り交ぜながら1拍12連のロールで、32分音符1コずつズレながら1拍6連のケツにベードラが入って、その直後トゥッティでド頭のCm△9(11)/E♭ですからね。もう神の領域ですねこのドラミングは。付点16分織り交ぜた直後の各音も元のビート(頭ン中の)と揺れというかブレが無いので、サンプラーに落とし込んでゆっくり再生したとしても、それが付点16分のノリだと判っても直後に続くフレーズがキッチリ叩かれてしまうので、もはやそれが付点16分が入ったフレーズとは思えないくらい、こっちが「釣られちゃう」んですね。拍を見失うくらい。ゆっくりにテンポ落とした再生にしても釣られてしまいそうになるのをこらえながら(笑)耳コピしたという茨の道を通って今回リリースというワケですね(笑)。「幻想即興曲の右手パートの各小節頭に32分休符入れてひとつずつ増やして弾いてね♪」っていうくらいの世界観なんです(笑)。

余談ですが左近治など、8分の裏から2拍3連始めるのにもひと苦労経験があります。先日もマーカス・ミラーの弾く某曲で8分裏から1拍5連があって、「こっちの方が簡単だな~」と思いつつ制作していた左近治でありました。

まあしかし、4ビートにも熟練されている人は、これくらいのテンポでも「半分」のテンポ感でやっているような向きがあるので、常人が16分音符に感じるところを彼らは8分音符程度にしか感じていないくらい平然とこなす様に改めて凄さを認識してしまうんですなあ。

因に、「Baja Bajo」で用いたタム類の音は、NI Battery収録の「Blue Jay」を加工。このキット、左近治には非常に扱いやすいので好きなキットなんですが、まあ、どうにでも加工できる良さがあるので重宝しているというワケです。但し、ハットの音は違います。

ハットの音に使ったサンプルは、Gentle Giantのいわゆるベスト盤というか未発表音源&フリー・サンプル収録(←サンプルは著作フリーで商用使用可能)のアルバム「Under Construction」に収録されているハットを多い所だと40レイヤー分、全部で80以上のサンプルをKontaktに突っ込んでURSのコンプを薄く通している、という制作裏事情であります。実はこのハットの音は過去にリリースした曲でも一度使ったことがあるんですけどね。

ベースの音は通常の音よりも偶数次倍音が強調されるように作っております。アレンビックのフロントHBの音を意識したというか、LogicのMatch EQも大活躍したんですが、倍音付加についてはナイショです。原曲は初期のパティトゥッチのKen Smithのソープバーの音が絶妙なんですけどね。余談ですが、Ken SmithのネックはFoderaよりも厚くて好きです(笑)。

原曲はパーカスも入ってるんですが、今回はトリオ・アレンジで。トリオと言ってもチック・コリアはMIDIグランド使ってるし、トリオっぽいアンサンブルには聴こえませんけどね(笑)。


最後に、坂本龍一ファンの方々のためにB-2 UNITから「iconic storage」を2パターン。

この曲は当初制作する予定はなかったんですね、実は(笑)。ホントは高橋幸宏のソロ・アルバム「Neuromantic」に収録されている坂本龍一作曲の「Curtains」を作るつもりだったんです。ただ、音を色々作っている過程でこっちの方に似てきてしまったんで、「こっちから先に作っちゃおう!」となったのが真相というワケです。

「Curtains」を作ろうとしていた時は「Extra-Ordinary」にも触手を伸ばして、マンザネラの「シュワシュワ言ってる」ギターとか(笑)、マンザネラ繋がりで、801のゴドレイ&クレーム参加の「Even Now」も作っていたりして、道半ばでそのままになっている曲もあります。ひとつのパートの音作ってそのままにしてしまっている曲は非常に多く、左近治の悪いクセです。

「iconic storage」についてはまた別の機会にでも詳しく語りましょうかね、と。それではまた後日。