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次世代光メディアの明と暗 [ネタバレ]

東芝のHD-DVD撤退というニュースが飛び交っておりますが、VHS vs ベータ戦争やらLD vs VHDなんていうのも過去にはありましてですね(笑)、あらゆるメディアに手を出して泣きを見るのは先行投資型の消費者。まあ先行投資をプラス志向に考えればあながち「泣きを見る」というペシミスティックな側面でもなく、優越感という形容も有り得るかもしれません。

市場ではHD-DVD機がダブ付くでしょうから投げ売りが始まる(もう始まっている)のでしょうが、こういう時のメーカーが販売店側に対処する方法が概ね「拡売費」と言われる取引。

判りやすく言うと、販売店は必ずメーカーと取引するための担当者とお付き合いがあるんですね。店側の売り上げやらメーカー担当者の個人成績が噛み合って、店に応じた契約をするというのも有り得ることです。

例えばA店とB店。どちらも全く赤の他人でいわばライバル会社。メーカーから見れば年間取引額がAは50億円、Bは5億円、だったとしたら上得意に加えて原価やリベート面でもA店を優遇してもよいだろうということで、B店よりも原価は安いかもしれない。但し、消費者に売る小売価格は「できるだけこの辺で」というラインがあるわけです(圧力かけると違反)。仮に小売り価格が統制されていればA店の方が販売店としての利幅が大きいワケですな。

メーカー営業マンが今度はB店を訪れると、A店よりも物理的に取引額が少ないことに加えて、A店では売れているものが売れていない。こういう時営業担当者の成績が芳しい人だと概ね拡売費というのを出してB店を後押しする、というのが業界の常であります。

例えば定価12万8千円、卸価格7万5千円、販売価格、9万8千円という商品があったとすると、1台辺りの原価を数千円だとか、場合によっては数万円、展示機はもっと安く、という色んな「配慮」があるわけです。

音楽ではCDだって同じことが言えるかもしれません。原則返品受け付けないけど、取引量によっては応じますよ、みたいな事が音楽業界に限らず普通に有り得ることなんですな。

楽器となると、後によほどのステイタスを手に入れない限り、初物の時こそが全てなんですな。すなわち新製品としての最初の1年(場合によっては2四半期くらい)が勝負の分かれ目なんですな。

新製品の時はやたらとヨイショされた記事を見かけていたのに、月日が経つとともにそんな美辞麗句はおろか市場でもお目にかかれなくなるような製品、数多く目にした経験ありませんか?(笑)。これが楽器の世界なんですな(笑)。

現在の楽器業界では、「打ち込みまでしようとは思わないけれどマルチトラックレコーディングに金かけたい」という人に狙いを定めているんですね。まあ多くの製品リリースを見れば素人目にも理解できるんですが(笑)、鍵盤弾きとは違う層を如何に取り込めるか、にかかっているわけなんですな。

それなのに多くのDAWアプリケーションのUIのほとんどは鍵盤ベースを前提にしたものとなっております。慣れてもらうしかない、というスタンスもある程度は理解できるんですが(笑)。

違法なコンテンツなのに、流行りモノの音楽データなどネット上のどこかに落ちていたりする。ユニークユーザがそれらに触手を伸ばして自分でMIDIを編集して音色編集したりして、従来よりも高いクオリティでコンシューマレベルで簡単に着メロ&着うた作れるようになったり、或いは個人使用範囲内での原盤切り出しとか、または映像からのキャプチャなどもうすぐ実現しそうなものばかり。

そんな中、ちったあまともでマジな耳コピして曲を作るようじゃなければダメだろ、というスタンスで左近治は着うたせっせと作っているワケであります。

誰もが高品位な環境を手に入れて楽譜やMIDIがあれば幼児でも作れそうなモノと同じことやっていても面白くともなんともないんですな(笑)。やはりそういう面で差異感を演出できなければダメだろ、と思うワケであります。みんな負け組みになりたくないものだから、手を引くのも実に素早い(笑)。勝ち負けなどないんだけど(笑)。

ただ、消費者に優越感を与えたり、安心感を与えるという点では考えさせられることは多くてですね、例えばMP3やWMAが主体だったのに、なぜiPodのAACがこれだけ普及したのか!?という事を考えれば自ずと判ることですね。

AACを選択したのも最終的には消費者。そこに誘導して結局MP3に再び逃げるユーザーが極端に少なかった理由は、当初はMacのハードディスク内の楽曲ファイル管理とCD-Rを焼く為のソフトだったiTunesはアップル流のUIと機能を引っさげて現在に至る、というワケです。

利便性に裏打ちされた確かなモノがあれば結局はユーザーはそれを選択してくれる、という証左。PCの世界から見ればアップル製品などシェアの非常に少ない製品。それがこうして受け入れられてきているということと、「確かなモノ」を作るということは決して疎かにしてはいけないんだな、とあらためて感じさせられるワケであります。

5歳の子供にGarageBand与えてそれに劣るような曲を曲を作ってはマズイだろ、と思いまして(笑)。でも、ごくたまにこの手の脳幹直撃系のコンテンツはやっちゃいますけどね、左近治は(笑)。