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ソフトの魅力はハードがあってこそ [回想日記]

クリスマスや正月と。子供たちにはプレゼントやお年玉が期待できるというシーズンになり、卒業・入学シーズンとなるとこれまたお祝いにと、親の側からすれば出費を覚悟せざるを得ない時期になりました。楽器や音楽業界でもこのシーズンに虎視眈々となっているのではないでしょうか。

しかしながら業界はおそらくは、そういった低年齢層の顧客よりもボーナスシーズンという方に重きを置いて顧客獲得をもくろんでいると思うワケであります。

上を見ればキリがないのはどの業界でも一緒。身の丈に合った商品選びなど小学生ですらも判るコト。この妥協点を探った後の商品選びこそが今後の目や耳を養うモノでもありますが、スタートラインから非常に高額なハイエンドクラスを手にする子供たちだって少なくはないのが現実。

私の子供時代はと言いますと、小学生時代においてもお年玉の総額が10万円を切ることは無かったのですが、中学生になると大卒初任給を超えて当たり前。親のスネをかじるどころか骨の髄までしゃぶり尽くしたであろう左近治は、高校卒業するまでお年玉をもらっていたのでありますが、高校生の頃になると20万円を超えて当たり前という風になっておりました。

左近治がそうなのではなく友人の間でもそんな話を交わしていたんで、平均的だったのでありましょう。勿論、ニュースなどで報じられる平均額というのは大きく上回っておりまして、おそらくどこの家庭でも「世間様はこうなのに、おまえはもらい過ぎだぞ」と親から言われた経験があるのではないかと思います。

まあ、そんなこんなでプレゼントやお年玉をあげる立場になるとつくづく判る、親の偉大さや当時の大人の苦労。今の子供たちがDAW関連で欲しいものなど、大人と変わらないと思うんですね。

フェアライトCMIやシンクラヴィアなどを買ってもらえるという人に遭遇したコトはありませんでしたが、卒業・入学シーズンにプロフェット5やらドラムセットやらと。ギターやベースを弾く連中でも概ね30~50万円。恵まれた友人で50~200万円くらいのものを買い与えられていたモノでありました。今の貨幣価値から言えば、そんな当時の価格は現在の1.5~2倍近くあるんじゃないかと思うので、当時は本当に大盤振る舞いが標準だったのかもしれないとあらためて感じるのであります。

当時と現在とで確実に違うのは、マルチトラック・レコーディング環境(すなわちDAWアプリケーションという統合型の環境)が恵まれていること。CPUやDSPの演算処理の高度化と低価格によりシンセサイザー類の価格が下落。この部分に昔ほどのような出費を強いられることがないので、コンピュータと周辺機器、DAWソフトやら楽器本体をすべて集めても20~100万円もあればどうにかなってしまうのが今の時代。

先日も80年代中期サウンドをイメージした曲を作っていたんですが、「この音、25年前じゃあ1500万円出しても無理だっただろうなあ」と思いに耽ることもありました(笑)。

高校時代、生まれて初めてやったアルバイトの時給@520円(笑)。490円が標準的だった時代をついつい思い出してしまいました。消費税導入直前あたりでも平均的な時給は600円で、消費税導入されて便乗値上げ(ベースアップ)で630円という時代になったもんです。当時の営業マン10人に1、2人がポケベルを持つようになっていた時代です、この辺りが(笑)。

隔世の感とはまさにこのことなんでしょうなあ。

ソフトでなんとかなる時代になったもんですが、出来合いの環境を利用して予算内でどうにかこうにかして欲しいモノをより多く手に入れたい心理は理解できるんですが、やっぱりハードに金かけてナンボですよ、ホントに。パソコンもハードですが、その周りの音楽周辺機器。ソフトの高機能に目を奪われがちですが、本当に追求したければハードに金かけることを老婆心ながらお勧めします。

物欲をこらえるだけこらえて、金かき集めて、本当に欲しいモノだけを手に入れる。金かける所はハード。これらがキモですよ(笑)。