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ハウスについて [Techno]

前回のブログにてチラッとホール&オーツの「I Can't Go For That」について語ってみたんで、たまにゃあハウスについて語ろうかな、と。

まぁ、今でこそハウスの特徴たるや

キックは4つ打ち!
ハットの八分裏打ち!
16分のケツのゴーストノートスネア!

ってぇのが基本となるんでしょうが、先述の通り「I Can't Go For That」なんてぇのはそういうハウスとは趣きが異なるんですね。でもコレでイイんです。

80年代後半から90年代にかけてはbpmも少々遅めながら、ソリーナのヒラヒラとしたストリングスのフレーズがハウスの基本だったりと、ハウスも色々曲折があったモンなんですな。新宿のI楽器店では時代はまだ昭和の頃に中古で4万円ほどでソリーナが叩き売られていたこともありましたっけ(笑)。

ハウスというのはチープなドンカマ・サウンドとアッパーストラクチャーの響きによって生み出される調性の希薄さを元に、主に2コードや一発系というような「リフ主体」で攻めるという、イキそうで行かないというケーデンスを延々とモチーフに組み立てていくというスタイルこそが今も昔も変わらないハウスの根幹ではないかと。

90年代も中盤以降になると、デジタルドメインにおけるフィルターの性能が向上して、一辺倒になりがちな延々フレーズに彩りを添えるためにフィルターやらフェイザーやらと、そういうエフェクトで彩りを添えるという手法がさらに確立されて今に至るというワケでありますが、90年代後半くらいでもハウス系は現在のようにキック4つ打ちというよりは、グラウンドビート系を引きずったようなモノがまだまだ多かったワケであります。

そういう90年代の終わり頃に左近治は、たまたま吉祥寺を徘徊していた時に某ショップで出会ったのがNew Phunk TheoryのCD。各人様々だと思うんですが、私のハウス心に火をつけてくれたのがNew Phunk Theoryだったんですなぁ。

「コレがハウスなの!?」と、それ系ジャンルにはチト五月蝿い人ならミソの付けどころタップリの、CMでもやっているようなハウスのベスト盤系の宣伝(笑)。

収録曲はどうあれ、ミソ付けたい気持ちが山々なのは十分私も理解しているのでありますが、そういう風にCMにてハウス食品ではなくてHOUSEを宣伝している所に、音楽ジャンルとしての市民権を得ていることに目を細めなければならないと思うワケですな。

現在のように市民権を得たのはおそらくAquaの影響が大きかったのではないかと。ダフト・パンクもそういう感じで聴かれているかとは思うんですが、ダフト・パンクで私が一番ハウスを感じるのは「Face to Face」なんですね。

まあ、ハウスに惚れるいきさつは他でもなく、トランスやらジャングルやレイヴ(当時)やらの音符乱れ打ち系に疲れてしまったとでもいいましょうか(笑)。


「もうこの手の音には疲れたよ、パトラッシュ」


と、お告げがあったのが97、98頃だったんですなあ。


それから10年。この手の延々フレーズ系というのは例えば勉強中だったり、レポートやらプレゼン資料作成などに躍起になっているような時に、脳をあまり刺激せずに、「聴きにまわらない」というか音楽に没頭せずに済むという良き友だったりもするんですなあ。


結局のところ、没頭させない程度にさりげなく雰囲気を彩ってくれるのがハウスの在り方のひとつなのかもしれません。

中には、アッパーストラクチャーの響きに作者自身の音楽能力が追い付いておらずに、かなりヘンテコな所にベースを置いていて不思議な分数コードというか(笑)、「ああ、この人ホントはあの音に行きたかったんだろうなあ」と、ついつい慈愛の目で見てみたくなってしまうようなハウス系の曲にも数多く出会うのが、ハウスですね(笑)。