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精神の壁 [たわごと♪]

マハビシュヌ・オーケストラじゃないですよ。

Solid State Logic社(以下、SSL)からフリーのプラグインである「X-ISM」なるものがリリースされておりました。一体これはどういう用途なのかというと、例えばDAWアプリケーションで完結させた2ミックスのPCMオーディオファイルにはよくあることなんですが、デジタルクリップが起こらない直前までレベルを稼いでミックスしても、結局は音声信号としてDA変換される際のΔΣ変調による「補正」(ノイズシェイピング)によって象られた波形が0dBを超えてしまって、結局CDに焼いて再生してみるとデジタル・クリップが発生してしまうというアレですね。




xism.jpg



要は、こういう事を手っ取り早く解消できるようにΔΣ変調時のクリップを予め探ってくれるというツールなワケですな。

DAWアプリケーションのレベルの表示はどれも一緒ではなく、実は結構クセがあったりするものでありまして、私がMIDI打ち込みの編集を重視してMOTUのDPを多用していた頃など特に顕著だったんですが、Logicよりも甘く、DPで0dBを超えていない2ミックスファイルを仕上げても、いざLogicに持ち込むと平気で超えていたり(笑)、そういう事が多かったので、そういう事を回避できるプラグインもあるんでしょうが私自身は持っていないため、SonalksisのFreeGをインサートして小数点第2位で0.01dBステップで調整ができるので愛用しているワケであります。




freeg.jpg





画像のRMSは-4dB台ですから相当無茶してますけどね(笑)。その辺りはご愛嬌ってコトで。


もちろん、リミッター系のプラグインの種類によってはサンプル単位でリミッティング出来たり、ナイクイスト周波数上限(2サンプル長)で制御できたりするものもあるにはあるんですが、シーリング(天井)が小数点第1位(0.1dB刻み)単位だったりすると、僅かなクリップなのに0.1下げなくてはならないという、結構勿体ない思いをしたこともあるので、音圧稼いだミックスを仕上げても結局こういったクリッピングを回避するために全体の音量を下げざるを得ないことなど多々有りました。

Logic7時代まではこういう現象は、WaveBurnerでクリップを調べさせて、クリップしていたらもう一度プロジェクトに戻ってレベルを下げていたりしていたんですね。しかし、Logic上では一切クリップが起こっていなくともWaveBurner上ではクリップが起こるとかは日常茶飯事で、それこそWaveBurnerでも検出しきれないようなクリップが起こっていたりすることなどもあったものです。

Logic8になってからSoundtrack Pro 2が同梱されてきたため、Soundtrack Proにて波形の振幅の小数点第3位までのレベルで調整が可能になりましたら、できるならば安直に波形のトータル信号の増減は避けて、ミックス段階のレベル調整で補完していきたいのが本音なんですね。

加えて、Soundtrack ProでもそうしたΔΣ変調時のクリップを探ることはできても、この精度が0.1dB刻み。結局は多くのトライ&エラーを重ねて、大丈夫そうだと思ってCDに焼いてみて「やっぱりクリップしてしまう」という事態に陥り、何枚ものCD-Rをムダにしたこともありました(笑)。

例えば0dBをシーリングに設定してLogicのAdaptive Limiterで「No Over」に設定してあげても、こういったΔΣ変調時のスムージングまでは処理していないので、LogicだけではなくどんなDAWアプリケーションでもこういう事が起こるもので、Logicは他と比べればまだレベル表示は厳しい方です(笑)。他がかなりヘッポコが多いのが実情なワケでして。

私がCD-DA用の2ミックスを作る場合、楽曲のテンポやアンサンブルの具合にもよりますが、通常だとRMSピークは-8.5dB ~ -6.0dB付近にピークを作って、ピーキングでは0.1dBをシーリングに設定させて作ったりしていたんですね。アレコレ上手く出来る際にはFreeGを使って0.01dB刻みで追い込んだり、と。


そんな折、SSLのX-ISMのようなプラグインがあると、どこでクリップが発生するのかということが予め分かるので、それで探ることができたら、その辺りをループ再生させてFreeGのTrimで細かく追い込むことができるワケですね。

もちろんこれらの2ミックスは、その時点でディザも施した16bit/44.1kHzなワケですけどね。24bitのハイサンプリングレートでミックスダウンも施さない、ディザリングも施していない時からコレらを使っても徒労に終わるだけですから使い方には注意が必要ですけど、DAWアプリを扱う人ならこんな初歩的なことはしないと思うのでありますが、一応老婆心ムキ出しにして語っておきまひょ、と。

何はともあれ、FreeGは併用しているんで結局はFreeGあってのミックスでもあるんですが(笑)。

TDMだとチャンネルごとに強制的に1bitディザ施されるんで、最後の最後で仕上げてチェックするのは同じだとしても、チャンネルやトラック増えるごとに予期せぬほどクリッピングが増大する可能性は他のDAWプロジェクトよりも多発すると思うので、ProToolsだと各トラックを-6dB付近よりもさらに低く取ることも多いのかもしれませんが、それぞれクセを熟知した上で使わないと厄介なのがデジタルの世界なんですなぁ。

こういう作業、好きですけどね(笑)。

オタクな部分が無ければやってられませんわ(笑)。釣りだの山だのジムカーナだの、着うただの楽器だの、道楽を尽くしても尽くし足りない左近治、端から見ればキモいかもしれませんけどね(笑)、キモさを極めろとは言いませんが、「宅ゴコロ」持ってナンボだと思いますよ、どんなコトでも。

動機がどうあれ、音楽に興味を持つコト自体イイことじゃあありませんか。初音ミクに没頭してしまったって(左近治は興味ないんですが、市場の活性としてポジティヴに捉えています)他人に迷惑かけていなければ千客万来のスタンスです。

週末になれば挙って鼻息荒くキャバクラ通いしてるクセして、家族の誰かが水商売の人と関係を持つと途端に水商売の人を卑下して否定してしまうという、矛盾だらけで高説垂れるヒト居ますよね(笑)。

初音ミク好きじゃない左近治とて、味楽るミミカ作ったコトあるのだから私とて十分キモいオタクなのかもしれませんけどね、そういうヒト達を我が身忘れて卑下してしまうようなことはあってはならんと思いますな。

アキバにどれだけ通い詰めようが人畜無害な人よりも、私の前述の多趣味ぶりの方がキモさは超越していると思いますけど、いずれにせよ没頭と偏狭というフェーズを認識していないとキモさUPしちゃうんでしょうな(笑)。

キモさは別としても、没頭できることがあるのはイイことだと思うんですけどね、私は。


ハナシを戻して、DA変換時のクリップはよくあることで、私のミックスの仕方だと0.03dBくらい実際には超えていたりすることはよくあることなので、DAW上の一見問題無いように思える信号でもX-ISM使ってみる価値はありますぜ。

0.001dBをチマチマと語る、セコくてキモいよなー(笑)。

あ、私はVOCALOIDは一切興味がありません。DP 2.1時代とMacOS 7.5時代にテキストスピーチさせてDPにインポートさせてニヤニヤしていたのが12年ほど前の出来事です(笑)。