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ソフトウェア音源を考える [回想日記]

ソフトウェア音源ですか。音源によってはソフトシンセだのとも言われたりしますが、アナログ模倣タイプ、デジタルタイプ、物理モデル系、サンプラー系など色々タイプがありますが、従来「ハードウェア」としてリリースされてきたシンセの類は現在「ソフトウェア」として模倣されているんですな。

ソフト音源はMac上ではSystem7.1か7.2辺りから簡易GM音源としてQuickTimeインストゥルメントとして内蔵されたのが最初でしょうか。この頃からMax(当時)もあったワケですが。しばらくブランクがあってCubase VSTがソフトウェア・シンセとしての分野を一気に拡大させたというのは間違いないでしょうな。

MOTUのDigital Performer(以下DP)でソフト音源を扱うと、今や数百、数千のパラメータが搭載されていても珍しくないのに、たったひとつのパラメータのオートメーションを記録するにも瞬時にそのパラメータにアクセス出来ないのが難点なんですな。DPのもうひとつの弱点ですな。スナップショット撮った所でそれらのスナップショットを繋ぎ合わせても不要なオートメーションは表示され、後から削除。TouchやLatchで記録させようとしてパラメータ弄ってもウンともスンとも言わず(笑)。これじゃあ今の時代見放されますって(笑)。ココが改善されないのも致命的なんですな。

オートメーション用のターゲットとなるパラメータを「登録」してやってから作業に入る、幾多もあるパラメータにどれがどのようにIDが割り当てているかも一見して分からないのはDPだけのことではないんですが、他のアプリならとりあえず動かしてオートメーションを書き込めばそのパラメータだけが書き込まれて表示されるんですが、DPのそれだと見当すら付けられずに時間の無駄になってしまうという(笑)。

MIDI CCにアサインしてやった所でパラメータは128段階以上の分解能を持っているのも珍しくなく、NIのKOREなんてのは500段階に「スムージング」しているというのに(笑)、それをさらに128段階にスムージングさせてしまっては編集したい狙いの音ができるワケありませんな(笑)。

元々DPはソフト音源の対応は遅く、それこそVST Wrapperを使わざるを得なかったりするコトもあったワケですが、テープレコーダーという感覚で設計されているため、純粋にコンバーターを経由して録音される「オーディオ」を扱うという点だけが妙にクローズアップされてしまっている設計になっていて、それが結果的に取り残されてしまったような感は否めませんな。

ソフト音源だけで完結してしまうようなレコーディングのシチュエーションというのも稀な例なので一概には言えないモノでありますが、アナログシンセ動作させるにしたって、電源を安定化させても1~2時間は通電してやらないと今の時期なんてのはチューニングすら不安定でままならないという機種も多いワケですよ。特に海外製品の往年の楽器は。

DX7やM1以降のシンセでもまともに動いてくれるものというのはそろそろ少なくなってくるはずで、ディスプレイの表示が怪しくなってきたのならまだ許容範囲だとしても、その手のハードウェアからオーディオインターフェースに繋いで録音した時の音を、どれだけの人が満足できるでしょうか。アナログ回路を経由していることで独特の音質は生まれるものの、ソフト上で再現可能ならそちらを使ってしまおうとするという人もかなり多いのではないかと思いますね。JD-800やJD-990の出音にこだわるというのならいざ知らず、当時のシンセでアナログを介した音ならでは!というシンセは結構少ないモノです。

ハードウェアのデジタルシンセが出現してからは、実体としてはハードウェアシンセ内部のチップに独自のOSとデジタル処理用の波形やら発音方式のプログラミングが施されているだけに過ぎないワケで、その音のほとんどはアナログ出力ということの違いなんで、それらの回路をデジタル的にシミュレートしている以上、OSはMacかWindowsに頼っているだけで本当の意味での大差は無いのが現実なんですよ。

アナログ回路が音質に大きく関わっている場合は、その特性をデジタル的にシミュレートしきれているかどうかということを念頭に置く必要はあるものの、仮にシミュレートが不完全だとしても、アナログ機器を実際に使うデメリットよりもメリットの方が大きいのではないかと思うんですね。

つまり、今のご時世においてソフト音源を軽視している場合ではないんですよね。アナログ的な音を欲する場合、それをも見越した音作りが少々厄介になるだけで。

DPを普通にレコーダー代わりにして録音しても、音の編集においてはDP標準のプラグインよりもサードパーティー製プラグインに依存することが多かったのが現実なんですよ。エフェクト類のプラグインですらパラメータはかなり多岐に渡っているのも珍しくはないんですが、エフェクトの場合はキャラクターが限定されているためそれほど多くのパラメータ数は必要としないかもしれません。高度なモノもありますけどね。

そのエフェクト類のオートメーションすら迅速にアクセスできるような設計になっていないのに細かなオーディオ編集を出来るにしても時間の浪費になっちゃうのが現実なんですよね、コレが。MIDI編集でキビキビ出来る分、オーディオ面でその分取り返してしまってような(笑)。

細かいオートメーション編集こそが必要な時代であるのに、こういうオーディオの細かい編集作業がなぜこうまで作業しづらくなっているのかDPは!?と言いたいんですね。そういう部分が改善されない限りはDPに戻ることは無いというのが本音でして、愛用してきたツールだからこそ敢えて苦言を呈したいのでありますよ。

ただ、Logicでカラオケや着メロ用MIDIを編集しろと言ってもそれは無理です(笑)。データとして必要なメタイベントの扱いがLogicだとオートメーションデータを記録する領域として使用するからです。

そういうワケで私は用途に応じて色々使い分けてきたのでありまして(笑)。20年以上もMIDI弄ってりゃあ、その間に色んなソフトのひとつやふたつ手に入れますしね。Visionは買いませんでしたけど(笑)。

ソフトウェアベンダー全般に言えることですが、マニュアルに手ェ抜くようじゃ終いです。不正コピーやらコストダウンのために仕方ないことかもしれないと言っても、まともなユーザーが割食っているのが現実でして。

まあ、そんなコト言った日にゃあ、WindowsもMacもOS買ったユーザーには数千ページのマニュアルくらい用意しろよ、と言いたいんですけどね(笑)。マイクロソフトで言えばOffice95の時代が一番マニュアルでは充実してましたかね。ページレイアウトという概念すらないような「箇条書き」マニュアルの典型ですが(笑)。

DAWアプリだと、だいたいどこも1000ページの総数を超えるくらいあるんですよね。装丁にこだわれとは言いません。内容を充実させPDFやWebに頼らず印刷しろ、と。せめて50ドル以内の有料にてもっと内容を充実させろと言いたいですね。

マニュアルあってこそソフトの価値であるのに、日本語マニュアルも付けなくなって、本国がその姿勢だからウチではやらないと言い出す代理店が出てきてしまうとマズイですな。

代理店やる位なら本国がやらない分自分が動けよ、と。他の代理店はそうまでして日本語マニュアル用意しているのにも関わらず。卸業務やってたのが客に直販するようじゃ、レコード会社がCDショップに流通させないで3000円のCDを2000円以下で客に売るようなモンだろ、と(笑)。

そういう姿勢であってほしくはありませんな。こんなひどい所はさすがに国内では無いでしょうが(笑)。

私の場合、既に知っていることなんで今まで長く使ってきたソフトが急に英語版のマニュアルしか用意しないなんてことが仮にあったとしても問題無いんですが(笑)、新規ユーザー開拓と共に育っていくのがソフトであるのに、新規ユーザーには厳しく「英語で我慢して」「日本語ヘルプはあるから」と強要して、既存ユーザーには「既に知ってるだろうから」と胡座をかいてしまうようでは本末転倒なんですよね。こういうサービスがあって欲しくはないものですね。くわばらくわばら。

以上、本日の左近治の「たわごと」でしたとさ(笑)。